手の外科については、お一人おひとりの生活と照らし合わせて、
それぞれの患者様に最適な治療をご提案しております。また、当院でも日帰り手術が可能です。
「突き指」とは、指の関節周辺のケガの総称です。多くはバスケットボールやバレーボールなどをしていて、指先にボールが当たったときに起こります。突き指とはあくまで俗称であり、実際には、骨折・脱臼・靭帯損傷・腱損傷などが起こっています。
応急処置としては、患部を冷やして安静を保つことが大切です。そして、副木を添えて圧迫した状態で固定し、指を心臓より高く上げて保持するようにしてください。
突き指を起こしたときは「指を引っ張って伸ばせ」といわれたりしますが、かえって靭帯や腱を痛める恐れがありますので、絶対にしないでください。
突き指は誰でも一度は経験したことがあるくらいありふれているため、軽く考えてしまいますが、靭帯断裂や骨折などの重大な損傷が隠れている場合があります。そのまま放置すると、最悪の場合、指が変形し、曲がりにくくなるなどの機能障害が残ってしまうことがありますので、かならず整形外科を受診するようにしましょう。
使い過ぎが原因で起こることがほとんどの「腱鞘炎」。
腱鞘炎になったら無理をせず、少しの間、仕事の手を休めて安静にしましょう。
ピアニストや小説家に多い「腱鞘炎(けんしょうえん)」。この病気の名前はみなさんよく耳にされると思います。
「腱」とは、骨に結合している筋肉の接着部分で、通常の筋肉よりも強靭で、硬い繊維質でできています。
手足の指の骨などにつながっている長い腱には、トンネルのような腱をとおす「鞘(さや)」があります。これが「腱鞘(けんしょう)」です。腱鞘は潤滑液をふくんでおり、なかを通る腱の動きをなめらかにしています。
この腱鞘が炎症を起こしたのが「腱鞘炎」です。炎症を起こすと、動かすたびに擦れて痛みが発生します。また、腫れることにより太くなりますので、腱が引っかかってスムーズに動きません。そして腱自体も炎症を起こしてしまいます。
腱鞘炎が起こる原因のほとんどは使いすぎによるものです。だから毎日熱心に練習しているピアニストや、毎日大量の原稿を書く漫画家や小説家に多いんですね。パソコンのキーボードの打ちすぎで起こったり、長時間編み物をすることでなることもあります。
症状の出方は炎症の度合いによって変わります。軽い炎症の場合は、指や手を動かすと痛みますが、休ませていると痛みは消えます。しかし炎症がひどくなってくると、絶えずズキズキと激しい痛みに襲われます。
腱鞘炎を起こしたら、まず何よりも患部の安静が大切です。ピアノの練習も、仕事の原稿書きも、数週間グッとがまんしましょう。炎症が治まっていない状態で無理をすると、さらに炎症を悪化させ、結果的に治るのが遅くなってしまいます。
患部の安静と同時に、抗炎症薬や消炎鎮痛剤を使用します。それでも痛みが治まらない場合は、ステロイドの局所注射を行います。ステロイド注射は非常に強力で、多くの場合、これで炎症は軽減します。しかし、かなりの重症で、ステロイド注射でも奏功しない場合、腱鞘を広げる手術を行います。
手術まで行うのは、本当に稀で、ほとんどの場合保存的治療で治ります。ですが、せっかく治っても、以前と同じように手や指を酷使していると、再発してしまう恐れがあります。慢性化すると仕事や生活に大きな支障をきたします。何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。休むときは休んで、手を大切にしてやってくださいね!
ゴルフを始めたばかりの人が、力みすぎて左手小指の腱鞘炎になることが多いように思います。練習のあとは、冷やすように心がけましょう。随分楽になりますよ。