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脱臼・捻挫・打撲

 ケガをすると、強い痛みを伴い腫れが生じます。「骨は折れていないから平気」と自己判断をして放置すると、治りが悪くなることもあります。体に違和感を感じていたり、痛みが長引いている方はご相談ください。

脱臼(だっきゅう)

脱臼とは?

 骨が関節から完全にはずれた状態を「完全脱臼」といい、完全にはずれてはいないけどずれている状態を「不完全脱臼」または「亜脱臼」といいます。
 もっとも多いのが「肩関節脱臼」で、脱臼の約半分を占めるといわれています。肩関節は可動域が広く、しかもお皿にボールが乗っているような構造のため、脱臼しやすくなっています。また、小さいお子さんが肘を脱臼するケースも多いですね。

脱臼の治療方法は?

 脱臼をもどす「整復」にはいろんな方法があり、関節の状態やはずれた方向などで変わってきます。肩関節脱臼の場合、患者さんにベッドに寝ていただき、ゆっくりと腕を持ち上げる方法がよく行われます。一気に整復しようとすると、関節の周囲を包み込んでいる「関節包」を痛めてしまうなどの危険があります。また、時間をかけて整復する方が痛みも少ないという利点もあり、現在ではこうした方法が主流となっています。
 整復を行った後、2ヶ月間程度は、脱臼を起こした方向に動かさないように固定することが大切です。完全に関節が治癒していない状態で頻繁に動かすと、関節包がきちんと修復されないため、ちょっとした動作で脱臼を繰り返す「反復性肩関節脱臼」になってしまうため、充分注意が必要です。 脱臼を起こしてしまったときはRICE法で、応急処置をしてください。

捻挫(ねんざ)

捻挫(ねんざ)とは?

 捻挫(ねんざ)とは、関節に不自然な強い力が加わって、関節を支えている「靭帯」の一部が伸びたり切れたりして損傷した状態のことです。体中の関節で起こりえますが、もっとも多いのは足首の捻挫です。

院長のひとりごと

 靭帯の“一部分”の損傷が「捻挫」ですが、靭帯が“完全に”切れてしまった場合は「靭帯断裂」となります。また靭帯ではなく、“筋肉”が損傷した場合は「肉離れ」です。このように外傷は、損傷の状態によって細かく分類され、治療方法もそれぞれ異なります。
 スポーツなどをしていると捻挫をすることはよくありますが、適切な治療をしないと靭帯がきちんと修復されず、関節がゆるんでしまう心配があります。関節がゆるむと「捻挫ぐせ」がついてしまう可能性があります。もっとひどいと「変形性関節症」を起こしてしまう場合も。ついつい軽く考えてしまいがちですが、医療機関で正しく診断・治療を受けてくださいね。

捻挫の症状と治療法は?

 捻挫を起こすと、関節周辺が腫れて痛むとともに、内出血も起こります。応急処置として、RICE法を行いましょう。

 病院では、テーピングサポーターなどで患部を固定し、関節にかかる負担を軽減します。固定を外した後も、すぐに激しい運動をすることは避け、適切なリハビリテーションを行うようにしてください。捻挫しやすいスポーツをされている方は、スポーツ用のテーピングやサポーターなどで予防するようにしましょう。当クリニックではテーピング指導も行っております。

打撲(打ち身)

打撲とは?

 「打撲」とは、何かにぶつかる、転倒するなどして外部からの力がかかり、皮下組織や筋肉を損傷した状態のことで、いわゆる「打ち身」のことです。打撲すると、損傷した筋肉を修復しようと組織が集まってきて、赤く腫れて炎症を起こします。

応急処置と注意点は?

 応急処置の例として、患部にタオルを巻いたうえでアイスパックなどを用いて冷やし、その上から包帯をしっかりとまいて圧迫してください。応急処置として、RICE法を行いましょう。

院長のひとりごと

 単なる打ち身だと思っていても、骨折や靭帯損傷を起こしている可能性があります。また強い炎症が起こると、急激に腫れあがって周囲の血管や神経を圧迫してしまいます。こうして起こった血流障害や神経麻痺を「コンパートメント症候群」といい、最悪の場合、打撲が治っても障害が残ってしまうこともあります。腫れがひどい場合は、速やかに整形外科を受診してください。

専門外来 枕外来

三重県松阪市の整形外科病院。脱臼・捻挫・打撲(打ち身)について解説。