骨や関節、筋肉などの運動器官が、全身的な炎症を伴って侵される病気を総称して「リウマチ性疾患」といいます。このうち、関節に炎症が続き、関節が徐々に破壊されやがて機能障害を起こす病気が「関節リウマチ」といいます。
関節リウマチの発症のピークは30〜40歳代で、女性に多く、男性に比べ5〜6倍の確率で発症します。初期には手首や手足の指の関節に違和感を覚えることが多く、症状は左右両側の関節にあらわれることが多いのが特徴です。
よく似た病気に「変形性関節症」がありますが、この病気は、関節を動かしたときに痛みが出やすいものです。一方、関節リウマチは、腫れを伴い、じっとしていても痛いのが大きな特徴です。
現在のところ、まだはっきりとした原因はわかっていませんが、免疫の異常が関係しているようです。誰にでも備わっている「免疫」が、誤って自分の身体の一部を攻撃してしまうことから、「自己免疫性疾患」と呼ばれています。
何らかの原因で免疫システムに異常をきたし、関節内の「滑膜(かつまく)」という組織が攻撃されてしまいます。その後、関節内部の軟骨や靭帯を破壊しながら、やがては骨まで破壊が達してしまいます。
たとえ重症化していても、現在では手術療法が発達し、自立した生活を取り戻すことができるようになってきました。しかし、関節リウマチをできるだけ早く発見して、早くから治療を始めることで、重症化や病気の進行を抑えることができます。
完全に治すことはできなくても、「寛解(かんかい)」と呼ばれる、治癒に近い状態に導くことが可能となっています。
自己免疫性疾患というのは、実はとても種類が多く、特定の臓器だけ破壊されるものや、全身が攻撃されて炎症が及ぶ場合があります。関節リウマチや強皮症などの膠原病は全身にわたり影響が及ぶ全身性自己免疫性疾患であり、整形外科で診察します。できるだけ関節の破壊を抑え、また関節を保護して生活できるようなアドバイスもさせていただいております。