MRIの導入により確実な診断が可能。MRIは磁力の性質を利用して撮影しますので、
検査時に放射線を使用しないため人体に無害な検査です。
身体の広範囲をしめる運動器と向き合う
運動器とは、運動に関わる骨、筋肉、関節、神経などの総称です。運動器はそれぞれが密接に連携してはたらいており、どこかひとつが悪くても身体はうまく動かず、多くの場合痛みを生じます。
整形外科は運動器の機能を改善させることを目的としています。打撲、捻挫、骨折などの外傷に対する急性期治療はもちろんのこと、加齢疾患による変形性の疾患、骨粗鬆症、関節リウマチ、痛風、運動器の腫瘍、運動器の先天異常など、慢性的な経過をたどる疾患への治療も行います。
そのため新生児時から老年まであらゆる年代の方が対象となります。
MRIの導入により確実な診断が可能
MRIは、単純X線撮影やCTの画像とは異なり、より3次元的な情報を多く得ることができます。軟骨や筋肉、靭帯などの軟部組織は一般的にX線では評価が出来ません。そのため腰椎椎間板ヘルニアや靭帯損傷、肉離れ、関節、骨軟部腫瘍など、骨以外の運動器の異常の評価に非常に有用です。
大きな総合病院では何日〜何週間も予約に要すことがありますが、当院では来院していただいたその日に撮影することが可能です。
ロコモーティブシンドローム
高齢になるにつれて、スムーズに歩く・移動することが難しくなり、転びやすくなります。そのため閉じこもりがちになり、怪我を繰り返し、徐々に日常生活に困難を生じる状態を運動器不安定症(ロコモーティブシンドローム)と呼びます。
ケガや寝たきりなどを予防するためにも、運動器のリハビリテーションが大切です。ロコモーティブシンドロームをいかにして予防するかが、近年の整形外科の大きな課題であると考えます。
あらおと整形クリニックとしても皆さまの運動器の健康を共に考え、積極的に運動器のリハビリテーションを推奨してまいります。
痛みの治療
どんな病気であれ、治療においていちばん大切なのは、病気の根本原因を治すことであるのはいうまでもありません。しかし、整形外科で取り扱う疾患は、強い痛みをともなうものがたくさんあります。患者さまにとっては痛みがいちばん辛いところで、大変な忍耐を強いられます。
当院では、できるだけ早く苦痛をやわらげられるよう適切な薬の処方はもちろん「神経ブロック」や「トリガーポイント注射」などにより、積極的に痛みを除去しています。
また、痛みの治療は「反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)」という合併症を予防するためにも非常に重要です。「RSD」は、極度の痛みが引き金となり、交感神経に異常をきたして起こると言われています。多分に比喩的表現を含みますが、「痛みのショックや恐怖感が交感神経を活性化させ、痛みの信号が増幅してさらなる炎症反応を招き、その炎症の痛みがまた他の反応を誘発し…」と、激しい痛みが堂々巡りで繰り返される非常に辛い病態です。
一般的にはあまり知られていないRSDですが、これを予防するためにも、できるだけ早く痛みを抑えられるよう、充分配慮していきたいと考えています。